3石+LM386 小型AMスーパラジオの作成(防災対応もどき)

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ここ一週間ほど小型ラジオを作っていました。DSPチップなどをつかわず、ポリバリコン・バーアンテナ、10mm角のIFTを4個フルにつかって、スーパーラジオをできるだけコンパクトに作るというのが今回の工作お題です1)9月6日未明の地震で、わたしの住む地域はほぼ丸2日停電になりました。三週間すぎて、コンビニやスーパーの棚も普段の様子になってきた矢先、強烈な颱風が列島の方に向かっているようです。生まれ育ちがいわゆる颱風銀座の場所でしたので停電、強風慣れしているつもりでしたが、さすがに考えの甘さを感じています。長期停電時の情報収集に必要なのは、できるだけ電池消費を抑えたAMラジオだと思いました。スマホなどモバイルからの情報は、電池切れ問題だけではなくて中継局自体が機能しなくなることがあるので(実際、この前の停電では2日目に通信障害がひどく「インターネット」は使い物になりませんでした)それに頼るのは考えものです。ゲルマラジオは電池なしにOKですが、やはり感度の問題を考えると増幅器を備えたラジオが欲しくなります。

まずは必要な筐体の容積を見積もります。大きな部品類は下の写真のような感じ。

スピーカーは2cmX4cmX1cmの大きさのものを部品箱から見つけました。2個315円の値札がついているがどこで買ったか忘失。FOSTER名の印刷がありますが、どうもアヤシイ感じです。3.5Ω2Wとの刻印がありますが、この3.5Ωっていうのはインピーダンスなのだろうか。DCRのような気もします。実測は面倒なので、作っている最中に適当CRで処理します。

バーアンテナもジャンク箱から小さいものを探し出しました。6cmX1.5cmX0.5cm。フェライトバーが粗悪品ぽいのですが、一応Lメータで、一次巻線620uH、二次巻線7uHの値が出ましたので利用可能と判断しました。

スイッチ付きボリュームは二連のものしかなかったのが残念。これに加えてイヤホンジャックなどが嵩をとりますが、写真には写ってません。

最大の問題は電池です。4Vぐらいは欲しいところなのでエネループ単四を三本を並べてみましたが、デカイ!。これじゃ小型にならないので、以前X-Beeのシリアル通信ガジェットを作成した時に使ったNIKONのEL-EN10という薄型リチウム電池(3.5V/720mh)を使うことにしました。3.15cmX3.95cmX0.5cmサイズ。充電時の実測値で4V程度あります。この電池はオリンパス ならLI-42B/LI-40B、ペンタックスならD-LI63、FUJIFILMではNP-45シリーズとかと互換性があるようなので予備確保も難しくありません。なお電池端子の作り方は上記記事に記述しています。

ラジオ回路は、同調・発振・混合・中間増幅・検波段までは「電子うさぎ」さんの「中2低1増幅タイプ」の回路図を使わせてもらい、低周波増幅は安易に流れてLM386を使います。

半導体・CRはできる限り表面実装にし(トランジスタは2SC2712のGとY)、基板はハーフピッチの蛇の目(ユニバーサル)基板を使います。

と、おおよその大きさに目処がついたので入れ物を選定します。タカチのSW-130Bという長方体の黒色樹脂ケースが使えそうなので採用。

外寸法が4cmX2.5cmX13cmで裏蓋にちょうどリチウム電池がハマります。MISUMI経由だと一個200円程度で購入できます。下の写真が完成形。

では、作業開始です。まず基板をケースに合わせて切り取ります。バリコンとバーアンテナの位置がキモです。

次にケースの穴あけ。フライス盤を使いにくい形状なので、手ヤスリでスピーカー穴とバリコンダイヤル穴をしこしこ整形します。

下のようなかたちで基板、スピーカー位置が決まりました。

次に部品を配置して半田付け。IFTは45度斜めすると基板穴にうまく収まります。いつもなら回路図を見ながらその場その場で配線するのですが、今回ばかりは配線間違いが怖いので、IFTの裏面ピン配置をメモして作業を進めます。

まず検波段までを作って、受信テストします。

それが終わったら、LM386アンプ部分を配線します。下のデータシートに準じますが、スピーカーのCRは一番音割れが少ない6.8Ω+0.01uFにしました。スピーカの3.5Ω表記は謎のままです、すみません。

 

このICだけは裏面に半田します。表につけると電池ホルダがつっかえるのです。

次にケース組み込みです。

検波段から直接音声信号を取り出せるようにセラミックイヤホン用ジャックもつけます。災害時には電池が貴重品なので、イヤホンを多用することになります。

また外部電池供給も必須なのでDCジャックをつけます。

さらに電波が弱い場所向けに外部ワイヤー用ジャック(イヤホンジャック転用)もつけます。

いずれも部品が増えて配置・結線が面倒ですが、今回の北海道胆振東部地震に伴う長期停電を経験した身からすれば、防災対応ラジオにとっては、それぞれ必要な機能だと感じています。

 

左奥がDCジャック。
左手前がイヤホン用ジャック。
ポリバリコンの向こう側にアンテナ用ジャックがあります。
全部とりつけた時の図。

電流消費は、アンプ利用時で20-30mA、イヤホンのみで10mA以下というところです。イヤホンジャック挿入時にアンプ電源もOFFできれば待機電流もカットできるのですが、それは断念。

感度は、電子うさぎさんの回路なので、とてもいいです。アンプからの音量も結構なもので、台所で料理を作りながら鳴らす程度なら十分実用になります。

ところで、外部電池ホルダは3Dプリンタで作りました。結構お気に入りの単四X四本用ホルダです。

個人的な技量としてはこれ以上の小型化は無理でした。IFTを7mm角にするとか小型ポリバリコンを探すとか、バーアンテナをさらに小さくするとか、ジャック類を表面実装にするとかすればもう少しは小さくなるとは思いますが、さすがにこの手の工作は今回で打ち止め。今年の「ちょっと工作」シリーズの中では一番疲れた作業でありました。

References   [ + ]

1. 9月6日未明の地震で、わたしの住む地域はほぼ丸2日停電になりました。三週間すぎて、コンビニやスーパーの棚も普段の様子になってきた矢先、強烈な颱風が列島の方に向かっているようです。生まれ育ちがいわゆる颱風銀座の場所でしたので停電、強風慣れしているつもりでしたが、さすがに考えの甘さを感じています。長期停電時の情報収集に必要なのは、できるだけ電池消費を抑えたAMラジオだと思いました。スマホなどモバイルからの情報は、電池切れ問題だけではなくて中継局自体が機能しなくなることがあるので(実際、この前の停電では2日目に通信障害がひどく「インターネット」は使い物になりませんでした)それに頼るのは考えものです。ゲルマラジオは電池なしにOKですが、やはり感度の問題を考えると増幅器を備えたラジオが欲しくなります。

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